住所が分からなければ調停は行えない

住所が分からなければ調停は行えない

実際に起こったお話です。

別居し、離婚を申し出ましたが、夫が離婚に応じてくれません。

協議している間に、夫は二人で住んでいた家から出て、一人暮らしを始めました。

新しい住所は聞いていません。

 

離婚協議が進まないため、調停にしようと家庭裁判所へ相談に行きました。

そこで、裁判所の職員の方に、夫が引越したことを正直に話したところ、

『住所が分からないのであれば、調停は申し立てられません』

と言われてしまいました。

 

もちろん、まだ夫婦ですので、役所で住民票を見れば、夫の住所が分かります。

しかし、夫は転居届を出していませんでした。

離婚調停を申し込む場合、相手先の住所地を管轄する家庭裁判所に行うのですが、

ここで大切なのは、その住所地とは、

住民票上の住所ではなく、実際に住んでいる場所らしいのです。

 

このため、実際に住んでいる場所が不明なので、

調停はできないと言われてしまったのです。

 

じゃあ、その実際に住んでいる住所はどう調べるかというと、裁判所は調べてくれません。

『そんなの裁判所の仕事じゃないんで。弁護士さんに頼めば?』と言われたそうです。

(こんな言い方はされていませんが)

 

転居届は、転居してから14日以内にしなければならない、という法律があります。

この法律に違反すれば、5万円以下の過料(罰金のこと)を取られるそうです。

これを根拠に、役所へ

『この人が転居届を出さなくて困っています!』

とお願いすると、市の職員さんに、

『強制的に転居届を出させることはできないんですよねー』

と言われてしまいました。

 

相手に直接住所を聞いても、疑心暗鬼になって教えてくれません。

ちなみに郵便局に行って、夫が転送届を出しているか聞いたとしても、

プライバシーを理由に教えてくれませんでした。

 

さて、じゃあ、どうしたらいいでしょうか?

最終的に、弁護士さんへ相談し、離婚調停をせず、いきなり裁判をすれば、

住所が分からなくても大丈夫だと教わりました。

ただ、その場合でも、いろいろと条件というか、事前にやるべきことがあるそうです。

 

結局、裁判にすると費用や労力、時間の面であまりにデメリットが大きい、

という理由で、慰謝料などは請求せず、

ただ離婚する、という内容にまで譲歩して、協議離婚になってしまいました…。

法律は平等ですが、それを主張するには、お金と時間がかかってしまうのです。

 

ちなみにこれは札幌市で起きた話ではありません。

話に出てきた人の対応が正しいのか、どこでも同じなのかは分かりません。

ただ、実際にこのようなトラブルがありました。(伝聞ですが)

 

もし、家庭裁判所の職員に、正直に夫が引っ越したことを話さず、

前に住んでいた家に「調停期日通知書」が送られ、

新しい住所に郵便転送されていたら、どうなっていたでしょうか?

 

この問いに対する、職員の答えはこうでした

『でも、もう聞いちゃいましたから』 と。

 

公職の場合、「聞かなかった」ことにはできないことがあります。

 

もし、最初から弁護士さんへ依頼していれば、結果は違ったかもしれません。

とても印象に残る事案でした。

※調停に関することは弁護士さんにご相談くださいね。

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